窓ガラスフィルムの採用を検討する場合、なんといっても高い買い物をするわけですから「数年でおしまい」というわけにはいかないですよね
対象製品の対応年数を知りたいというのは至極当然のご要望です
窓ガラスフィルムは,PETフィルムや塩化ビニール等のフィルム基材に特殊な粘着剤をコーティングしたフィルムです
フィルム基材や粘着剤には紫外線による劣化を抑制する為に紫外線吸収剤が添加されており、高い耐候性(紫外線の耐久性能)を示します
しかしながらフィルム基材や粘着剤等は有機物質であるため太陽光の熱、紫外線や気温、湿度、汚れなどによって徐々に劣化してしまい、このような原因に基づいた劣化現象は避けることができません
具体的な劣化現象としては
●フィルム基材の強度低下
●粘着剤の変質(硬化、軟化)
●自然褪色(外観変化)
などがあげられます
では 実際のところ、どれくらい貼っていられるのでしょう
日本ウィンドウフィルム工業会の「窓ガラスフィルムの貼り替え指針」では「貼り替えの目安は約10年」と示しています
http://www.windowfilm.jp/replacement_guide.pdf
ただし、これは「飛散防止フィルムの貼り替え指針」であり、フィルムのタイプによって対応年数も変わってきます
透明飛散防止フィルム以外の窓ガラス用フィルムの耐応年数は促進暴露試験などから、垂直ガラス面に施工した場合の対応年数の目安は概ね下記のようになるのではないかと考えています
※数値は私が考える推定値です。メーカー毎に見解は異なりますのでご注意を!
屋内貼り 屋外貼り
透明飛散防止フィルム 約10年 約8年
遮熱フィルム 約8年 約5年
目隠し・デザインフィルム 約8年 約5年
ただし、採用実績では上述の1.5倍以上の期間でも全く問題なく使用されているケースも見られ、はっきりした年限はいえないのが実状です
また、以下のような過酷な環境では耐応年数の期間が短くなることがあり、使用環境により対応年数も変わるものとしてご理解ください
- ●日射がよく当たり、熱い空気が溜まりやすいトップライト部分(水平・傾斜ガラス)
- ●空気の流れがなく、密閉されている箇所(カーテンを閉め切りにしている等)
- ●大型の照明が近くにあったり、照明がガラスに当たっていたりする箇所
- ●熱線反射ガラスや熱線吸収ガラスなどでガラスの温度が高温になりやすい箇所
- ●海のそばや湿度の高い箇所(屋外貼りの場合は特に劣化が進む)
私自身も「10年で交換というのは建材として如何なものか」と思います
窓ガラスフィルムメーカーには製品の耐候性向上を期待したいです